○豊並村有林野貸与条例

昭和29年8月1日

議会議決

第1条 豊並村は、次の条項の理由と目的のため、本村有林野を本条例の定めるところにより貸与するものとする。

第2条 理由 昭和4年、県の指導により部落財産を村統一し植林施業案を組みたるも、その後二十数年を経るに中途戦争中の濫伐を加重したるのみなり。之をその統一前の各部落又はその部落の認める団体へ、その地域を限り貸与するものとす。

第3条 目的 森林法(昭和26年法律第249号)改正の趣旨に呼応し、全村を緑化し、水害を防止し、国家資源の造成と蓄積に寄与する。

第4条 樹種及び植付本数 針葉樹にありては、1反歩につき、300本以上、濶葉樹(櫟に限定す。)にありては、600本以上とし、植付後1ケ年以内に補植を完了し、この規定の反当植付本数を確保するものとする。但し、天然林にありても村に於いて適当と認めた場合は、之を貸与することを得。

第5条 貸与期間 70年とする。但し、申請者の希望により期間満了後更新することを得。

第6条 本契約締結に要する登記費用全額及び第4条の規定の外に植付けに必要なる地拵え、下刈、除伐、間伐等、一切の手入作業は、地上権者に於いて、その全部を負担するものとす。但し、植付後6ケ年間年1回の下刈作業を行うものとす。

第7条 分収歩合 各樹種別の伐期に於ける分収賦率は、土地権者(村)は、その実収益の100分の5を受けるものとする。但し、貸与契約期間中に地上権者がその権利を豊並村民以外の者に譲渡した場合の伐期に於ける分収歩合は、100分の40に繰り上げるものとす。

第8条 前各条の規定を承認の上、造林を希望する団体は、別に定める各様式により申請書を村長に提出するものとす。天然林の場合は、様式第1号、造林の場合は、様式第2号による。

第9条 村長は、前条の申請書を受理したる時は、左の方法により決定す。

(1) 村長は、申請書を受けたる日より3日以内に之を村経済委員長に通知するものとす。

(2) 村経済委員長は、この通知の日より5日以内に委員会を招集し、申請による実地踏査を行う。この場合、その地域内に収入となる程の相当量の針葉樹又は濶葉樹等の現存する時は、之を適当に評価し、申請者に、買収方を交渉するものとす。

(3) 申請者は、原則として之を買取るべき義務を負うものとす。万一、申請者にその可能性なき場合は、村議会に於いて之を適当に処理するものとす。

(4) 採草地区の申請を受理したる場合は、当該部落区長の意見を徴し、その適地と認めたる時は、本条例を適用する。

第10条 村経済委員長は、前条の処置を講じたる後、直ちに村長に対し本条例に基き村議会の開会を請求するものとす。

村長は、村議会の議決を経て之を決定し、3日以内に申告者に通知するものとする。

第11条 貸与の対象となるべき面積は、実測5反以上とするも実情に応じて之より以下の場合と雖も、全村緑化の目的を尊重し、貸与することを得。

第12条 前条各項により造林契約を締結したる場合は、地番、面積、樹種、本数、植込み年月日、契約者氏名を記載したる貸与条例台帳、実測図を製作するものとする。

第13条 契約者にして、本条例に違反の場合は、村経済委員会は之に対し、その履行を勧告し、若し応ぜざる時は、村議会の議決を得て契約を解除するものとする。

第14条 申請者が契約解除をなす場合は、書面を以ってその意思を表示するものとす。この場合たとえ契約後、何ケ年を経過したる場合と雖も、その地上権の一切は、消滅し、村は、之に要したる費用等の負担、前第6条の規定を適用しその責に応ぜざるは、勿論、その地上残存の植込みたる苗木又は立木等は、直ちに村有財産に帰属するものとす。

第15条 今後「町村合併促進法」等の立法措置ある場合と雖も本条例は、そのまま、存置するものとす。

本条例は、公布の日より之を施行する。

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豊並村有林野貸与条例

昭和29年8月1日 議会議決

(昭和29年8月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第7章 附属機関等
沿革情報
昭和29年8月1日 議会議決