○奈義町職員の人事評価に関する要綱
平成28年3月8日
要綱第2号
(総則)
第1条 この要綱は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)に定めるもののほか、職員の実績及び能力を的確に把握し、この要綱の定めるところにより実施する。
(1) 人事評価 能力評価及び業績評価を、人事評価記録書を用いて行うことをいう。
(2) 能力評価 評価項目ごとに定める着眼点に基づき、職務遂行の過程において発揮された職員の能力を客観的に評価することをいう。
(3) 業績評価 職員があらかじめ設定した業務目標の達成度により、その業務上の業績を客観的に評価することをいう。
(4) 人事評価記録書 人事評価の対象となる期間(以下「評価期間」という。)における職員の勤務成績を示すものとして、職位及び職種に応じて別表第1に定める様式をいう。
(被評価者の範囲)
第3条 人事評価の対象となる職員(以下「被評価者」という。)は、非常勤職員及び臨時的任用職員以外の一般職の職員とする。ただし、他の地方公共団体等への派遣、研修、休職、育児休業その他の理由により公平な評価を実施することが困難であると認める職員を除くものとする。
2 前項の規定にかかわらず、評価期間において勤務した期間が3月に満たない被評価者その他人事評価を行うことが困難と認められる被評価者は、人事評価を実施しないものとする。
(評価者、調整者、確認者)
第4条 人事評価の1次評価者、2次評価者、調整者及び確認者は、別表第2のとおりとする。
(評価者研修の実施)
第5条 総務課長は、評価者に対して、評価能力の向上のために必要な研修を適宜実施するものとする。
(人事評価の期間)
第6条 人事評価の期間は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。
(人事評価における点数の付与等)
第7条 能力評価に当たっては評価項目の着眼点ごとに、業績評価に当たっては第2条第3号に規定する目標ごとに、それぞれ評価の結果に応じた点数を付すものとする。
2 能力評価及び業績評価に当たっては、点数を付した理由その他参考となるべき事項を記載するように努めるものとする。
3 能力評価及び業績評価の細部については、別紙「人事評価実施運用の手引き」によるものとする。
(業務目標の設定)
第8条 1次評価者は、業績評価の評価期間の開始に際し、被評価者と面談を行い、業務に関する目標を定めることその他の方法により当該被評価者が当該評価期間において果たすべき役割を確定するものとする。
(自己申告)
第9条 1次評価者は、人事評価を行うに際し、その参考とするため、被評価者に対し、あらかじめ、当該人事評価に係る評価期間において当該被評価者の発揮した能力及び挙げた業績に関する被評価者の自らの認識その他評価者による評価の参考となるべき事項について、申告を行わせるものとする。
(評価の実施、面談、結果の開示)
第10条 1次評価者は、被評価者について、点数を付すことにより評価(次項に規定する再評価を含む。)を行うものとする。
2 2次評価者は、1次評価者による評価について、不均衡があるかどうかという観点から審査を行い、2次評価者としての点数を付すことにより調整(次項に規定する再調整を含む。)を行うものとする。この場合において、2次評価者は、当該点数を付す前に、1次評価者に再評価を行わせることができる。
3 確認者は、2次評価者による調整について審査を行い、適当でないと認める場合には2次評価者に再調整を行わせた上で、能力評価及び業績評価が適当である旨の確認を行うものとする。
4 1次評価者は、前項の確認を行った後に、被評価者の能力評価及び業績評価の結果を、当該被評価者に開示するものとする。
5 1次評価者は、前項の開示が行われた後に、被評価者と面談を行い、能力評価及び業績評価の結果及びその根拠となる事実に基づき指導及び助言を行うものとする。
(職員の異動又は併任への対応)
第11条 人事評価の実施に際し、職員が異動した場合又は職員が併任の場合については、評価の引継その他適切な措置を講じることにより対応するものとする。
(人事評価記録書の保管)
第12条 人事評価記録書は、第10条第3項の確認を実施した日の翌日から起算して5年間総務課において保管するものとする。
(人事評価の結果の活用)
第13条 人事評価の結果は、被評価者の任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用するものとする。
2 評価者は、人事評価の結果を職員の人材育成に積極的に活用するよう努めるものとする。
(苦情への対応)
第14条 第10条第4項の規定に基づき開示された評価結果に関する職員の苦情については、苦情相談及び苦情処理により対応するものとする。
2 苦情相談は、職員の申出に基づき、各課・室・局長が対応する。
3 苦情処理は、書面による申告に基づき、総務課長が行う。
4 開示された評価結果に関する苦情処理は、当該評価の評価期間につき、1回に限り受け付けるものとする。
5 苦情処理の申出は、能力評価及び業績評価の結果が開示された日若しくは第2項の苦情相談にかかる結果の教示を受けた日の翌日から起算して1週間以内に限り申し出ることができる。
6 職員は苦情相談の申出、又は苦情処理の申告をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けない。
7 苦情相談又は苦情処理に関わった職員は、苦情相談の申出、又は苦情処理のあった事実及び当該苦情内容その他苦情相談又は苦情処理に関し職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
(人事連絡調整会議の設置)
第15条 人事評価制度の円滑な運用や公務能率の向上のために必要な連絡調整を行うため、奈義町長が指名する各課・室・局長から構成する連絡調整会議を設けるものとする。
(委任)
第16条 この要綱に定めるもののほか、人事評価の実施に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この要綱は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和2年2月10日要綱第1号)
この要綱は、令和2年4月1日から施行する。
別表第2(第4条関係)
被評価者 | 1次評価者 | 2次評価者 | 調整者 | 確認者 |
課員・係長・課長補佐(所属員) | 担当課長(室長・局長) | 副町長 | 副町長 | 町長 |
課長(室長・局長) | 総務課長 教育総務課長 | 副町長 総務課長 | 副町長 | 町長 |
* 下段は、教育委員会部局に適用する。
別紙
人事評価実施運用の手引き
序 人事評価制度の目的
地方分権の一層の進展により、地域における総合的な行政主体として高度化・多様化する住民の行政ニーズに対応し、住民に身近な行政サービスを提供するという地方公共団体の役割はますます増してきている。また、厳しい財政状況や行政の効率化を背景に職員数は減少を続けており、個々の職員に、困難な課題を解決する能力と高い業績を挙げることが従来以上に求められる状況となっている。
このような中、地方公務員法の改正により、従来の勤務評定に替え、より客観性、透明性の高い人事評価制度が法律上の制度として導入された。
人事評価制度は、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び挙げた業績を公正に把握することで、職員の主体的な職務の遂行及びより高い能力を持った公務員の育成を行うとともに、能力・実績に基づく人事管理を行うことにより、組織全体の士気高揚を促し、公務能率の向上につなげ、最終的には住民サービス向上の土台をつくることを目的としているものである。
第1 評価手続き
1 目標の設定
(1) 業務目標の設定
業績評価は、評価期間における業務の実施結果を評価するものであり、期首において、被評価者の担当する業務内容に即して、その課題、目標、進め方等を明確にして行うこと。
【被評価者の留意点】
イ 個別目標の設定
・ 組織目標と整合がとれているか(組織目標が設定されていない場合、基本構想や総合計画、施政方針、あるいは行政組織規則や関係法令などを参照)
・ 職位にふさわしい目標か
・ 事後に成否が判断できるか
「いつまでに」「何を」「どの水準まで」行うか、などを具体的に
※業務内容、職位、職務従事期間により、以下のような目標も設定可能。
・短期で成果が出せない業務
… 中長期的な成果を意識した評価期間における到達水準の目標を設定
例)
・ 来年度に○○事業の見直しができるよう、○月末までに現行○○事業の評価資料を作成し課題を洗い出す。
・ 来年度の○○条例改正のために、○月までに検討会を開催し、条例改正にあたっての諸課題(~~、~~等)について整理した上で、○月までに条例の骨子を作成する。
・ルーティン業務
… 効率化や業務改善など当期の重点事項、留意事項に着目した目標を設定
例)
・ 適正な予算執行となるよう、○月までに平成○○年度の執行内容について把握・分析し、問題点の抽出を行った上で、必要に応じて積算の見直しを行い、平成○○年度の予算要求に反映させる。
・ 給与等の支給について、毎月の締日までにミス無く迅速に処理する。特に異動・昇任のある○月分については支給額に間違いが生じないようにチェックした上で支給額を確定し、ミス防止に万全を期する。
・ 申請情報の記載内容について誤入力○%以下を達成するため、二重の目検による確認を怠らず徹底する。また、○○票との突合を徹底して受付情報の単純な入力ミスを防止する。
ロ 個別目標のレベル・ウェイトの設定
設定した業務目標を(別紙1)の「目標レベル設定基準表」に照らし合わせ、「S」「A」「B」「C」に分類する。その際、レベルA以上とした目標について、被評価者はその理由を目標欄に付記する。
また、業務目標ごとのウェイトを設定する。その際、業務の重要性に関係なく、業務時間に応じたウェイトとする。一つの目標のウェイトは40%を上限とし、レベルA以上のウェイトが20%以上30%以下となることを基本に、5%刻みで設定し、合計が100%となるようにする。
【1次評価者の留意点】
○チェック等のポイント
・ 職位にふさわしい目標か
・ 組織目標との整合性がとれているか
(2) 期首面談
期首面談は、1次評価者と被評価者との間で行い、評価期間中の被評価者の業務上の目標等を明確にして、認識の共有化を図ることを目的としている。
【被評価者の留意点】
・目標等の内容やレベル・ウェイトについて1次評価者と認識を共有すること。
【1次評価者の留意点】
○面談の留意点
・ 素直に話し合える雰囲気を作るよう心掛けること。
・ 被評価者の話をよく聞き、不用意に中断しないこと。
・ 双方で意見等が異なる場合には、十分・丁寧な意見交換を行うよう努めること。
※ 能力評価の評価項目について、評価書を示すことにより被評価者に明示すること。
※ 日頃から組織目標等について組織的に共有され、1次評価者と被評価者との間で共通認識が得られているのであれば、期首面談の時間を短縮すること等は可能。また、職務従事期間が極めて短い場合、具体的な目標を定めず、当該期の業務遂行に当たっての重点事項、特に留意すべき事項等を口頭で明確にすることも可能。
○面談の進め方(参考例)
① 面談の冒頭で、期首面談の目的について説明する。(面談が定着してくれば、省略も可)
② 被評価者の職務の状況を確認するとともに、人事評価記録書に記載された内容について、1次評価者が特に確認しておきたい点や説明を聴取する必要があると考える点などについて、被評価者に説明を求める。
③ 被評価者からの説明を聞いた上で、目標等の内容について両者で話し合う。
④ 双方の認識等が一致した段階で目標等を確定させる。
目標のレベル・ウェイトについて確認し、認識の共有化を図る。
⑤ その他業務遂行に際しての双方の要望や意見等について話し合う。
⑥ 面談終了
2 業務遂行(評価期間中)
評価期間中、被評価者は、求められる行動がとれるよう、また、果たすべき役割が達成できるよう組織の一員として職務を遂行すること。また、1次評価者は、日常の業務管理を通じ、被評価者の行動等を把握し、評価事実を収集するよう努めるとともに、被評価者の業務遂行に関心を持ち、人材育成の観点からステップ毎に褒めるなどコミュニケーションを図るほか、適宜、必要な助言・指導を行うこと。
3 自己申告
被評価者は、評価期間を振り返り、目標の達成状況やその過程での職務の取組状況・取組姿勢を中心に自己分析して、人事評価記録書に記入すること。目標以外の業務でも、特記すべき事項があれば人事評価記録書に記入すること。
【被評価者の留意点】
[能力評価]
自らの評価期間中の行動等について、評価項目及び行動に記載された行動等を安定的にとることができていたかどうかの観点から振り返り、自己申告する。
[業績評価]
期首に設定した目標等について、「どこまでできたか」「どのような役割を果たしたか(どのような貢献をしたか)」等を記載するとともに、状況変化があった場合やその他特筆すべき事情があればそれを記載する。
期首に設定した目標以外の取組事項、突発事態への対応等があった場合に、その業務遂行状況について記載する。その際、レベル・ウェイトを設定し、期首に設定した目標と合わせて100%となるよう、期首に設定したウェイトを調整する。
【1次評価者の留意点】
・ 被評価者が記載した自己申告の内容について、自ら収集した被評価者の評価期間中における職務の行動等に照らし、適宜被評価者に確認を求める。
4 評価
【1次評価者の留意点】
[能力評価]
① 評価項目の着眼点ごとの評価
評価項目ごとに着眼点として示した事項ごとに、職務行動に基づいて点数を付与する。
② 合計点数
全ての事項の点数を合計し、合計点を算出する。(50点が標準)
[業績評価]
① 目標ごとの評価
1次評価者と被評価者との間で設定したそれぞれの目標ごとに、(別紙2)の「達成度基準表」に従って、職務活動の結果として、期首に設定した目標を達成するためのプロセスやどの程度達成できたか、貢献できたかを判断して、T1からT5の達成度(未着手の場合はN)を記載する。
② 目標以外の業務への取組状況等
目標として掲げた業務以外に、突発的な事案への対応や業務上の研修等の達成状況及び取組状況等、評価を行うに当たり特記すべき事項などがあった場合には、被評価者の自己申告の内容も参考にして、レベル・ウェイトを確認し、所見欄に記載するとともに、達成度を記載する。また、設定し直した各業務のレベル・ウェイトを連絡調整会議に報告する。
③ 合計点数
目標ごとのレベルと達成度から決定する評価点に、ウェイトをかけて点数を付与し、すべての事項の点数を合計して、合計点を算出する。(50点が標準)
[所見欄の記入(両評価共通)]
① 評価根拠となる事実等のうち顕著なものや特記すべき事項等については、当該評価に関しての所見として人事評価記録書の該当欄に記載する。
特に能力評価で標準以外の点数を付与する場合、及び業績評価でT3以外に評価する場合は、それぞれ評価にあたっての客観的な状況が必要。所見欄には、それらの理由を記載する。
② 両評価部分の合計点数の所見欄には、今後、被評価者が開発すべき能力等や改善を期待する事項等についても記載する。標準の点数を上回っている場合であっても、一層の向上を図るべき点について可能な限り記載するよう努めること。
標準の点数を下回っている場合、期中における指導状況等を記載することにより、職員の能力・意欲向上のために必要な情報をより充実させるよう努めること。また、改善が期待される点や評価できる点についても可能な限り情報を充実させることが望ましい。
※ 所見に関しては、2次評価者が調整を行う際や、評価結果の開示に基づく被評価者への指導・助言の際にも所見欄への記載情報は、必要な事項であると考えられるので、できるだけ記載するように努めること。
◎ 職員の異動又は併任への対応について
・ 職員が評価期間の途中で異動した場合には、異動までの評価を通常の手続きに沿って異動前に実施し、異動後の職場では、新たに業務目標を設定し、期末に評価を行う。その上で、評価結果の活用においては、それぞれの合計点数を按分した点数を用いる。
・ 職員が併任の場合には、併任先から本務の所属へ職務遂行状況や業務の達成状況などを伝達する。
【2次評価者の留意点】
○調整の実施
① 調整の観点
・ 自己の把握する事実と評価者の評価とが大きく食い違っていないか
・ 特定の部分に重きを置き過ぎたバランスを欠く評価になっていないか
・ 全体的な水準から見た評価の甘辛などの偏りがないか
② 調整内容
具体的には、能力評価の点数及び業績評価の達成度・点数について、次のいずれかにより調整を行う。また、調整に当たっては、必要に応じ、調整補助者や1次評価者から情報収集を行う。
・ 特に不均衡等が見られなければ、1次評価者と同じ達成度・点数を2次評価者欄に記載するとともに、氏名・2次評価記入の日付を記載する。
・ 不均衡等がある場合には、
自ら事実等を把握している場合等は、2次評価者欄に自ら達成度・点数を付すとともに、氏名・2次評価記入の日付を記載する。
1次評価者の評価結果に甘辛などの偏りがある場合等は、1次評価者に再評価を命ずる。
○1次評価者への説明等
1次評価者の付けた点数を修正する場合及び再評価を命ずる場合については、1次評価者に対し、十分その理由を説明する。被評価者に対し評価結果の開示に基づく指導・助言を行うのは1次評価者であり、有効かつ円滑な指導・助言を行うためには、1次評価者がその理由を十分説明できることが必要。また、所見欄に理由を記載するという方法もあり得る。
【調整者及び確認者の留意点】
調整者は、2次評価者による調整が終了した人事評価記録書を受領した後、評価の公正性の確保の観点を踏まえつつ、調整結果について
・2次評価者が行った調整は、不均衡があるかどうかという観点等から妥当に行われたか
・1次評価者が行った評価は、定められた手続や基準に則って公正かつ的確に行われたか
といった観点から調整結果を審査し、必要に応じて再調整(又は再評価)を指示する。
調整者の確認の結果、再調整(又は再評価)を行う必要がない場合には、調整者欄に氏名・確認の日付を記載する。
確認者の確認の結果、確認者欄に氏名・確認の日付を記載し、評価が確定。
5 評価結果の開示・期末面談
開示された評価結果を基に、1次評価者と被評価者の面談によるコミュニケーションを通じて、組織内の意識の共有化や業務改善に結び付け、職員個々の自発的な能力開発を促すなど、人材育成の観点からきめ細かな指導・助言を行うこと。
【被評価者の留意点】
・ 期末面談において評価結果の開示が行われる場合には、開示を希望しないかどうかの意思確認を求められる場合があること。
※ なお、合計点数は、原則開示なので、「開示を希望しない」旨の意思表示をしなければ、開示されることとなる。
・ 1次評価者の指導内容等については、今後の業務遂行等に活用するための材料として、前向きにとらえるよう心掛けること。
【1次評価者の留意点】
○期末面談の留意点
・ 期末面談における留意点は、期首面談と同様。
・ 評価内容についての話し合いは、例えば、評価者と被評価者で認識が一致するものから始め、次に一致しないものについて話し合うなど、流れにも留意すること。特に一致しないものについては、何故一致しないのかについて丁寧に話し合うことも重要。
・ 結果の良し悪しよりも原因に目を向け、プロセスを十分に分析し、話し合うよう心掛けること。
※ 期末面談で初めてすべての業務の結果の総括をするということではなく、日常における業務上のコミュニケーションを心掛けることによって、期末面談の負担が軽減される。普段からそのような業務管理に心配りしておくことも重要。
○期末面談の進め方
① 面談の冒頭で、期末面談の目的について説明する。(面談が定着してくれば、省略も可)
② 開示を希望しないかどうか、被評価者の意思を確認。
③ 評価結果の開示
④ 必要に応じ、被評価者の気付きを促すために、被評価者からの自己申告等の内容について、被評価者からの説明を求める。
⑤ 被評価者のその期における職務上の成果や行動についての評価者としての意見等を、評価結果を踏まえ、客観的な事実に即しつつ説明するとともに、今後の業務遂行等に当たっての指導や助言等を行う。例えば、
ア 発揮された能力等で高かったもの、低かったものは何か
イ 能力向上を図るためにはどうしたらよいか
ウ 個々の業務目標等の達成状況がどうであったか
エ 組織や個人としての業務の進め方に問題がなかったか
オ 次期においてはどのように取り組むか など
⑥ 業績評価については、業務上の目標等以外の業務の達成状況や突発的事項等への対応状況等についても話し合い、次期以降の業務遂行、業務改善等に活用する。
⑦ 面談終了。
第2 評価者訓練
人事評価制度の公正性、客観性、納得性を確保するためには、各課での運用等が統一的に行われるよう制度の周知や評価者訓練を実施することが重要。
定期的に評価者訓練を実施し、評価者となる管理・監督職の積極的な参加を促すこと。
〈参考:評価者の心構え〉
① 評価は担当業務の一つであることを認識すること
評価者は、「仕事が忙しくて、人事評価に割く時間がない」、「人事評価は面倒なものだ」という受け止め方をせず、日頃から人事評価は管理者(及び業務管理を補助する者)としての担当業務の一つであるという認識を持つことが必要。
② 主観的な判断基準で評価しないこと
評価者が評価を行うに当たって、評価基準に対する理解が不十分であったり、認識にバラツキがあったりすると、自分の価値判断・経験などにより評価要素を自分なりに理解し評価することとなり、更には、評価者の思惑や個人的な感情が入りやすくなる。
この場合、一般的に、評価そのものは甘くなりがちで、寛大化傾向(評価者が実際よりも寛大な甘い評価をする傾向)を示したり、また、評価に自信がない場合には、中心化傾向(優劣の差がつきにくい状態)を示すこととなり、このことが結果的に、被評価者に評価者の評価能力、評価態度及び評価結果について、疑問や不満を抱かせることにつながる。
人事評価においては、評価基準等を統一的に理解・運用することが重要であり、各評価者が主観的な判断基準等で行うものではないということを認識することが必要。
③ 人間性や人格を評価するのではなく、職務における行動や結果を評価するという視点を持つこと
人事評価は、評価者が部下の人間性や人格を評価するものではなく、保有している能力のうち、職務行動を通じて顕在化した能力及び職務遂行結果を客観的に把握することが重要。
人事評価は、あくまで職務遂行における行動及び結果に基づき、能力や業績を評価するものであることを意識して、評価を行うこと。
④ 被評価者の日頃の職務行動を把握すること
評価者は、評価者が日頃行っている業務管理の中で、被評価者の職務行動のうちの顕著な行動等について評価項目及び行動や着眼点を通して把握し、評価の材料として収集すること。必要に応じて、記録に留めておくことも有益。
⑤ 人材育成の観点からの適切な指導・助言
人事評価は、能力・実績主義の人事管理の基礎となるツールであるとともに、個々の職員の側からみれば、自らの強み・弱みを把握して自発的な能力開発等を促すことにもつながるなど人材育成の意義も有している。
このようなことから、評価結果のみならず、きめ細かな指導・助言は、被評価者の今後の業務遂行に当たり具体的な改善点等を示すことなどにより、公務能率の向上に大きく寄与するものなので、適切な指導・助言を行うことによって、人材育成につなげること。
第3 苦情への対応
1 苦情対応の必要性
評価制度を円滑に運用するためには、評価者と被評価者(当事者)が制度内容をよく理解し、適切に評価を行う必要がある。また、日頃から当事者同士がよく話し合い、コミュニケーションを通じて双方の疑問点や不満等を解消するよう心がけることも大切。
人事評価の公正性・透明性の確保、制度そのものに対する信頼性の確保の観点から、人事評価のプロセス、評価結果等に関する内容、その他制度全般において想定される苦情等に対し、適切に対応し効果的な解決を図ること。
2 苦情相談と苦情処理
《苦情相談》
(1) 相談の対象
開示された評価結果に関するものを含むほか、人事評価に係る手続その他人事評価に関する苦情全般について幅広く対象とする。(評価手続に関すること、制度に関すること、評価結果に関することなど)
(2) 手続
① 申出方式
苦情等のある者は、口頭、電話、メール等により、苦情相談窓口(各担当課・室・局長)に申出・相談を行う。
② 対応
各担当課・室・局長は、口頭等により申出のあった相談内容を聞き、内容について総務課長へ伝達する。総務課長は、制度の説明のほか、相談内容が評価手続に関するもので改善が必要と判断される場合には、申出人の意向を確認の上、評価者(各担当課・室・局長)に伝達し、改善を促すなどの対応を行う。
《苦情処理》
(1) 処理の対象
開示された評価結果に関する苦情及び苦情相談で解決されなかった苦情のみを受け付ける。
(2) 手続
① 申出方式
書面により、苦情処理窓口(総務課長)に申し出ることにより行う。
なお、申出は、申し出る職員の意思に基づき、必ず職員本人名義で行う必要がある。
また、評価結果の早期確定の観点から、申出期間には制限を設けている(評価結果の開示を受けた日、苦情相談で苦情処理手続きの教示を受けた日から、1週間)。
さらに、評価結果に関する苦情については、当該評価期間につき、1回受け付けるものとする。(苦情処理の結果として再評価された評価結果について、再度、苦情処理の申出を行うことはできない。)
② 対応
・ 受理の通知
苦情処理窓口は、申出を受理する場合には申し出た職員及び必要に応じ評価者に通知し、却下する場合には申し出た職員にのみ通知する。
・ 事実関係の確認
苦情処理窓口は、申出の事実確認のため、苦情を申し出た職員のほか、その申し出た職員の評価者その他必要があると認める者(職場関係者など)からの聴き取り、必要な証拠書類収集等により事実調査を行う。
・ 調書の作成
苦情処理窓口は、聴き取りの結果のほか、必要な書類等の収集・取りまとめを行い、事実調査に係る調書(書面)を作成して町長に提出する。
・ 審理
町長は、評価結果の当・不当等を調書に基づき、審理を行う。
・ 決定
町長の審理結果を踏まえ、確認者は、苦情を申し出た職員及び必要に応じ関係者に通知する等、必要な措置をとる。
※ 評価手続等に疑問、苦情等がある場合には、まずは評価者とよく話し合うこと。
別紙 略