○奈義町生活環境等と太陽光発電設備との調和に関する条例

令和元年9月20日

条例第29号

(目的)

第1条 この条例は、奈義町における特色ある景観や安全安心な生活環境の保全、災害の防止及び自然環境の保護と急速に普及が進む太陽光発電設備との調和を図り、もって豊かな地域社会の発展に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 奈義町の特色ある景観、豊かな自然環境及び安全安心な生活環境は、町民の長年にわたる努力により形成されてきたものであることに鑑み、町民共通のかけがえのない財産として、現在及び将来の町民がその恵沢を享受することができるよう、地域住民の意向と合意を踏まえることで、その保全及び活用が図られなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備であって、同条第3項第1号に規定する太陽光を再生可能エネルギー源とするものをいう。

(2) 事業者 太陽光発電設備を設置する事業(当該事業を実施するために必要な森林の伐採、土地の造成等を含む。以下「設置事業」という。)を行う者であって、設置事業の権利を有するものをいう。

(3) 土地所有者 太陽光発電設備を設置する土地を所有する者又は当該土地の権利を有する者(以下「所有者」という。)をいう。

(4) 事業者等 事業者及び所有者をいう。

(5) 事業区域 設置事業を行う一団の土地又は水面(継続的又は一体的に設置事業を行う土地又は水面を含む。)をいう。

(6) 近隣関係者 事業区域の境界から50メートル以内の距離にある土地又は建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。以下同じ。)を所有する者及び居住者並びに事業区域が水面である場合の水利権者をいう。

(町の責務)

第4条 町は、第1条に定める目的並びに第2条に定める基本理念を達成するため、この条例の適正かつ円滑な運用に努め、そのために必要な措置を講じなければならない。

(事業者等の責務)

第5条 事業者等は、設置事業を実施するとき又は設置事業の実施により設置した太陽光発電設備を用い発電する事業(以下「発電事業」という。)を実施するときは、この条例及び関係法令を遵守し、生活環境の保全、災害の防止及び自然環境の保護に十分配慮するとともに、地区及び近隣関係者との良好な関係の保持に努めなければならない。

2 事業者等は、その設置事業に必要な公共施設及び公共的施設を自らの負担と責任において整備するよう努めなければならない。

3 事業者等は、太陽光発電設備及び事業区域の万全な管理を行うよう努めなければならない。

(町民の責務)

第6条 町民は、この条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。

(適用範囲)

第7条 この条例の規定は、発電出力20キロワット以上の太陽光発電設備に適用する。ただし、当該太陽光発電設備を建築物に設置するときを除く。

(設置事業の周知等)

第8条 事業者等は、設置事業を実施する前に地区及び近隣関係者に対して設置事業の内容、工事の施工方法、安全対策、管理方法並びに発電事業を終了した後の対応その他周知すべき事項(次項においてこれらを「周知事項」という。)について説明を行い、十分な理解を得るように努めなければならない。

2 事業者等は、発電出力50キロワット以上の太陽光発電設備を設置しようとするときは、前項に加え、事業区域の所在する地区長を通じて、地区民を対象とした事業説明会を開催し、十分な理解を得られるよう努めなければならない。

3 事業者等は、設置事業に着手しようとする日の60日前から当該設置事業が完了する日まで、当該設置事業の内容を記載した看板を事業区域内に設置するものとする。

(協議等)

第9条 事業者等は、設置事業に着手しようとする日の60日前までに次に掲げる事項を記載した書面を提出した上で、町長と協議をしなければならない。

(1) 事業者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 事業区域の所在地番、面積、地目及び土地所有者の氏名、住所、連絡先

(3) 設置事業の着手日及び完了予定日

(4) 設置しようとする太陽光発電設備の出力

(5) 設置しようとする太陽光発電設備の発電開始予定日

2 前項の書面には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

(1) 法令等による許可又は認可を受けている場合は、その内容を証明する書類の写し

(2) 地区及び近隣関係者に対し設置事業の内容等の説明を行った旨の報告書及び理解を得られた旨を証するもの

(3) 設置事業の内容が分かる計画書

(4) 生活環境や景観の保全、災害等への被害防止策を講じる計画書

(5) 設置事業が環境調査対象事業(環境影響の程度が相当程度となるおそれがあるものとして規則で定めるものをいう。)である場合には、環境影響に関する調査を行った旨の報告書

(6) その他町長が必要と認める書類

3 町長は、第1項の協議を終了したときは、事業者に当該協議を終了した旨の通知をするものとする。この場合において、町長は、必要に応じて通知に意見を付すことができる。

(協議内容の変更)

第10条 事業者等は、前条第1項の協議を行った内容を変更しようとするときは、書面により町長と改めて協議をしなければならない。ただし、変更しようとする内容が規則に定める軽微なものであるときは、この限りでない。

2 事業者等は、前項の協議を行う前に近隣関係者に対して、変更しようとする内容等の説明を行わなければならない。ただし、発電出力50キロワット以上の太陽光発電設備にあっては、事業区域の所在する地区長に変更しようとする内容等の説明を行わなければならない。

3 前条第3項の規定は、第1項の協議を終了した場合について準用する。この場合において、前条第3項中「第1項」とあるのは、「第10条第1項」と読み替えるものとする。

(設置事業の着手等の届出)

第11条 事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに町長に届け出なければならない。

(1) 設置事業の着手前に設置事業を取りやめるとき。

(2) 設置事業に着手するとき。

(3) 設置事業の中止をするとき。

(4) 中止していた設置事業を再開するとき。

(5) 設置事業が完了したとき。

(6) 設置事業を取りやめ、原状に回復したとき。

(設置事業完了等の確認)

第12条 町長は、前条第5号の規定による設置事業を完了した旨の届出又は同条第6号の規定による原状に回復した旨の届出を受けたときは、現地確認を行うものとする。

2 町長は、前項の現地確認を行うときは、必要と認める者を立ち会わせることができる。

(管理者等に関する情報の掲示)

第13条 事業者等は、設置事業を完了したときは、設置した太陽光発電設備の管理者等に関する情報を、次条の規定により原状に回復するまでの間、当該情報を事業区域内の見やすい場所に掲示するものとする。

(発電事業終了後の適正な措置等)

第14条 事業者等は、発電事業の終了後、事業区域を原状に回復するとともに、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)等の関係法令に基づき、太陽光発電設備を適正に処分しなければならない。

2 事業者等は、前項に定める措置を講じた後、速やかに町長に届け出なければならない。

(緊急時の措置等)

第15条 事業者等は、設置事業及び発電事業により第三者へ被害が発生するおそれがある場合又は発生した場合は、町及び当該第三者へ速やかにその旨を連絡するとともに、被害防止又は被害の拡大防止のための措置を講じなければならない。

2 事業者等は、設置事業及び発電事業により第三者へ被害が発生した場合には、適切かつ誠実な対応を行わなければならない。

(報告及び立入調査)

第16条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者等に対し報告若しくは書面の提出を求めるとともに、町長が指定する職員若しくは委任した者を事業区域に立ち入らせ、必要な調査及び関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により事業区域に立ち入り、調査等を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯しなければならない。

(指導、助言又は勧告)

第17条 町長は、事業者等に対して、必要な措置を講ずるよう指導又は助言(以下この条において「指導等」という。)を行うことができる。

2 町長は、必要があると認めるときは、次の各号のいずれかの要件に該当する事業者等に対し、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告をすることができる。

(1) 第9条第1項若しくは第10条第1項の協議をせず、又は虚偽の事実を述べて協議をしたとき。

(2) 第9条第3項の通知を受ける前に設置事業に着手したとき。

(3) 第11条又は第14条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

(4) 前条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による事業区域への立入り若しくは必要な調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(5) 指導等に正当な理由なく従わなかったとき。

3 事業者等は、指導等又は勧告を受けた場合は、当該指導等により講じた措置の内容を記録し、速やかに町長に報告しなければならない。

(公表)

第18条 町長は、前条第2項の勧告を受けた事業者等が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、事業者等の氏名及び住所並びに当該勧告の内容を公表することができる。

2 町長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ当該事業者等にその理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

3 町長は、第1項の規定により公表した内容につき、国又は県等へ報告することができる。

(審議会)

第19条 この条例の目的を達成するため、奈義町生活環境等と太陽光発電設備との調和に関する審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、必要に応じて町長の諮問に応じて審議し、答申するものとする。

3 審議会は、委員10人以内をもって組織し、奈義町環境保全及び公害対策審議会委員をもって充てる。

4 審議会委員の報酬及び費用弁償は、奈義町委員会委員等報酬及び費用弁償支給方法条例(昭和32年条例第49号)の定めるところによる。

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和元年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 本条例の施行の日(以下「施行日」という。)から60日を経過する日までの間に事業に着手しようとする者のこの条例の適用については、第9条第1項中「設置事業に着手しようとする日の60日前までに」とあるのは、「速やかに」とする。

(適用除外)

3 施行日において既に設置事業が開始されている事業、若しくは、既に岡山県県土保全条例(昭和48年岡山県条例第35号)又は奈義町環境保全及び公害防止に関する条例(平成3年条例第29号)の認定を受けて計画がなされている設置事業については、この条例の規定は、適用しないものとする。ただし、事業者等は、第2条の基本理念を遵守するよう努めるものとする。

(奈義町委員会委員等報酬及び費用弁償支給方法条例の一部改正)

4 別表環境保全及び公害対策審議会委員の項の次に次のように加える。

奈義町生活環境等と太陽光発電設備との調和に関する審議会会長

3,300




奈義町生活環境等と太陽光発電設備との調和に関する審議会委員

3,000




(令和5年5月29日条例第19号)

この条例は、公布の日から施行する。

奈義町生活環境等と太陽光発電設備との調和に関する条例

令和元年9月20日 条例第29号

(令和5年5月29日施行)