○奈義町内部公益通報に関する要綱
令和元年6月12日
要綱第34号
(趣旨)
第1条 この要綱は、内部公益通報を行った職員等の保護を図るとともに、職員の法令遵守を徹底し、町民の町行政に対する信頼を確保することを目的として、職員等からの内部公益通報に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において、「職員等」とは、次に掲げる者をいう。
(1) 職員 全ての奈義町職員をいう。
(2) 派遣職員 奈義町の事務事業に従事する労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に規定する派遣労働者をいう。
(3) 契約先等の役職員 事業者が奈義町との契約に基づいて行う事業に従事する役員等及び労働者並びに地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者が行う奈義町の公の施設の管理の業務に従事する役員等及び労働者をいう。
2 この要綱において、「内部公益通報」とは、次条第1項に掲げる事実が生じている場合であって、次に掲げる要件のすべてを満たす通報をいう。
(1) 苦情、要望、意見又は相談ではないこと。
(2) 過去に行われた通報と同一の趣旨の通報ではないこと。
(3) 訴訟、和解、あっせん、調停、仲裁その他の手続によって解決又は処理を図ることが適当と認められないこと。
(4) 不正の目的による通報であることが明らかでないこと。
(通報及び相談)
第3条 職員等は、奈義町が行う事務事業の執行に当たって、次のいずれかの事実(以下「通報対象事実」という。)が生じている場合に、通報窓口(町長が一般職員の中から指名する者(以下「倫理監督者」という。)及び次条に規定する弁護士窓口をいう。以下同じ。)に対して、通報を行うことができる。
(1) 法令(条例、規則及び訓令を含む。)に違反し、又は違反するおそれがある事実
(2) 職務の遂行に当たって、あらかじめ定められた要綱、要領その他業務に関する規程又は職務上の命令に違反する事実
(3) 町民の生命、身体、財産その他の利益に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある事実
2 職員等は、通報処理の仕組み、通報対象事実に該当するか否か等についての相談(以下「相談」という。)をすることができる。
3 通報又は相談は、倫理監督者に対しては電子メール、郵送、電話又は面談により、弁護士窓口に対しては電子メール、郵送、ファクシミリ又は電話により行うものとする。ただし、弁護士窓口が必要と認めるときは、面談により行うことができる。
4 職員等は、通報又は相談を行う場合は氏名を明らかにするものとする。ただし、通報対象事実が具体的かつ客観的に特定されている場合は、匿名により行うことができる。
(弁護士窓口)
第4条 弁護士窓口は、必要な識見を有する弁護士に委託して設置する。
2 町長は、他の自治体その他の公共団体又は公共的団体が設置した弁護士窓口に、町の弁護士窓口業務を委託することができる。
(通報の受付)
第5条 通報窓口は、通報を受け付けたときは、通報をした者(以下「通報者」という。)に対し、次に掲げる事項について確認する。ただし、通報者の同意が得られない場合その他確認に支障がある場合は、この限りでない。
(1) 通報者の氏名、所属及び連絡先(電話番号、電子メールアドレス又は住所若しくは居所)
(2) 被通報者(通報対象事実を行った又は行っていると通報された者をいう。以下同じ。)の氏名
(3) 通報者と被通報者との関係
(4) 通報の内容となる具体的かつ客観的な事実及び関係する法令等
(5) 前号の事実を裏付ける資料等の有無及びその名称等
(6) その他必要と認められる事項
2 通報窓口は、通報を受け付けたときは、次に掲げる事項を通報者に説明する。ただし、通報者が自らの氏名、住所、所属、連絡先その他の個人が特定される情報(以下「個人情報」という。)の秘匿を必要としない旨申し出た場合、通報者が説明を望まない場合、匿名による通報であるため通報者への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りでない。
(1) 通報に関する秘密が保持されること。
(2) 個人情報が保護されること。
(3) 通報をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けないこと。
(4) 通報受付後の手続に関すること。
(5) その他必要と認められる事項
(相談の対応)
第6条 相談を受けた通報窓口は、相談者の秘密の保持及び個人情報の保護に留意しつつ、相談の内容に応じて助言を適切に行うとともに、相談者の秘密は保持されること、個人情報は保護されること及び相談者が不利益な取扱いを受けないことを、相談者に対し説明する。
2 弁護士窓口は、受け付けた通報を、通報者の個人情報を秘匿した上で、速やかに倫理監督者に報告する。ただし、通報者が個人情報の秘匿を要しない旨を申し出たときは、当該個人情報を秘匿することなく報告する。
3 倫理監督者は、内部公益通報に該当しない通報のうち、その内容について、通報内容に係る事業を所管する課等に通知する必要があると認められる通報については、当該課等の長に情報を提供し、その後の対応等について報告を求めることができる。
4 倫理監督者は、受理又は不受理を決定したときは、次に掲げるいずれかの事項を、通報者(匿名の場合を除く。)に対し、遅滞なく通知する。ただし、弁護士窓口が受け付けた通報については、弁護士窓口を通じて通知する。
(1) 内部公益通報として受理し、調査を行うこと。
(2) 内部公益通報として受理したが、調査を行わないこと及びその理由
(3) 内部公益通報として受理しないこと及びその理由
(調査の実施)
第8条 倫理監督者は、内部公益通報を受理したときは、速やかに町長に報告する。
2 町長は、前項の報告を受けたときは、速やかに調査を行う。
3 町長は、調査を実施する職員(以下「調査員」という。)を指名することができる。
4 調査員は、町長が必要であると認めるときは、弁護士窓口の担当弁護士その他の第三者に調査を依頼することができる。
5 調査員は、調査結果を速やかに町長及び各執行機関の長並びに倫理監督者に報告する。
6 倫理監督者は、調査員の調査結果につき、関係者の秘密の保持に十分に留意しつつ、通知を希望する通報者に通知する。ただし、弁護士窓口が受け付けた内部公益通報については、弁護士窓口を通じて通知する。
(是正措置の実施)
第9条 各執行機関の長は、前条の調査の結果、通報対象事実があると認められた場合は、速やかに是正措置及び再発防止策(以下「是正措置等」という。)を講じるとともに、必要に応じて、関係者に対する懲戒処分等の手続を行う。
2 各執行機関の長は、調査中であっても、緊急かつ必要な措置を講じなければならない場合は、直ちに通報対象事実に係る行為の中止その他の措置を講じる。
3 倫理監督者は、是正措置等の内容につき、関係者の秘密の保持に十分に留意しつつ、通知を希望する通報者に通知する。ただし、弁護士窓口が受け付けた内部公益通報については、弁護士窓口を通じて通知する。
(通報者等の保護等)
第11条 相談者又は通報者は、相談又は通報をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けない。
2 第8条の規定により内部公益通報に係る調査を行う者は、調査の実施に当たって、通報者の秘密を守り、通報者が特定されないよう十分に配慮する。
3 この要綱に定める事務に従事する者は、相談者、通報者その他関係者の秘密の保持に十分留意し、知り得た秘密及び個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
(利益相反関係の排除)
第12条 通報への対応に関与する職員は、自ら当事者となっている案件に関する通報その他の利益相反関係を有する通報への対応に関与してはならない。
2 通報への対応に関与する者は、通報への対応の各段階において、相互に当該通報に利益相反関係を有していないか確認するものとする。
(職員等の責務)
第13条 職員等は、虚偽の通報、他人をひぼう中傷する通報、他人の業務を妨害する通報その他の不正の目的の通報をしてはならない。
2 職員等は、他人の正当な利益又は公共の利益を害する通報をしないよう努めなければならない。
3 被通報者その他の関係者は、調査員が行う調査に協力しなければならない。また、当該調査に協力したことを理由として、不利益な取扱いを受けない。
(公表)
第14条 町は、内部公益通報があったときは、毎年度、内部公益通報に関する処理の状況について、インターネットの利用その他の適切な方法によりその概要を公表する。
(委任)
第15条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この要綱は、令和元年7月1日から施行する。