○奈義町高齢者安心・安全条例
令和8年3月4日
条例第3号
目次
前文
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 町民・地域団体の役割(第4条~第7条)
第3章 行政・事業者の役割(第8条~第12条)
第4章 生きがい・社会参加(第13条~第15条)
第5章 認知症高齢者支援(第16条~第19条)
第6章 協働(第20条)
附則
(前文)
高齢者は、地域社会を築き、次世代に知恵と経験を伝える大切な存在であり、高齢者が安心して暮らし、元気に活躍できる環境づくりが求められている。
そのため、奈義町では、自助(自ら取組むこと)、共助(地域で支え合うこと)及び、公助(行政・関係機関が支援すること)の三つの柱を明確にし、互いに補い合いながら、誰もが安心して暮らし続けられる地域社会を実現することが重要である。
また、認知症や軽度認知機能低下の増加が見込まれる中で、本人の尊厳を守りながら地域で生活できるよう、正しい理解と支援体制の整備が不可欠である。あわせて、情報弱者を取り残さず、ICT(情報通信技術)を活用して世代間交流を促進すること、働き続ける意欲を支える居場所や役割の創出、安全な体力づくりの環境整備にも取組む必要がある。
よって、町民、地域団体及び行政が協働し、高齢者が安心して暮らし、生きがいを持って活躍できるまちを築くため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、高齢者が尊厳を保持しつつ安心して暮らし続け、健康・生きがい・社会参加を通じて活躍できる地域社会の形成を推進するとともに、全ての高齢者を取り残さない包括的な支援体制を確立することを目的とする。
(1) 高齢者 概ね65歳以上の者をいう。
2 前項の規定にかかわらず、40歳以上65歳未満であって、介護保険法に規定する特定疾病により介護又は支援を必要とする者については、この条例の趣旨に基づき、高齢者に準じて支援の対象とする。
(基本理念)
第3条 この条例においては、次に掲げる事項を基本理念とする。
(1) 高齢者が住み慣れた地域において、安心して継続的に暮らすことができる環境を整えること。
(2) 高齢者が生涯にわたり心身の健康を維持し、生きがいを持って生活できるよう支援すること。
(3) 高齢者が町民、地域団体等とともに地域社会の形成に主体的に関わり、社会参加や地域貢献を通じて活躍できる機会を確保すること。
(4) 高齢者一人ひとりの尊厳と意思を尊重し、いきいきと輝き続けられる地域社会の実現を目指すこと。
(5) 高齢者自らも健康づくり、生きがいづくり、そして社会参加に努めるものとする。
第2章 町民・地域団体の役割
(健康・交流の促進)
第4条 町民及び地域団体は、高齢者が心身の健康を保持し、地域での交流や趣味、文化・芸術活動、自然環境との関わりを通じて充実した生活を送れる地域づくりを推進するものとする。
2 町民及び地域団体は、運動指導員等の専門職の関与を得て、安全で効果的な体力(筋力)づくりができる環境において、運動器具等を活用した健康づくりに努めるものとする。
3 町民及び地域団体は、日常生活の中で無理なく継続できるウォーキングを通じた健康づくりを推進し、地域での交流や介護予防につながる取組を行うよう努めるものとする。
(介護予防・社会参加の促進)
第5条 町民及び地域団体は、高齢者が自立した生活を継続し、地域活動やボランティアを通じて社会参加や地域貢献ができる環境づくりを支えるものとする。
2 町民及び地域団体は、高齢者が働き続ける意欲や能力を発揮できるよう、地域における居場所や役割の創出に努めるものとする。
(見守り・支え合い)
第6条 町民及び地域団体は、互いに声を掛け合い、高齢者を見守り支え合う地域づくりに参加する。その際、高齢者に対する犯罪被害の防止や、高齢者虐待の早期発見及び未然防止の観点を踏まえ、異変や困りごとに気づいた場合には、関係機関への相談や連携につなげ、地域組織や住民活動を通じて、日常生活の安心感や交流の機会を高めることに努めるものとする。
(生活情報の共有)
第7条 町民及び地域団体は、高齢者やその家族が必要とする生活・健康・福祉・防災等の情報にアクセスできるよう、互いに情報を共有し、地域での支え合いを推進するものとする。
第3章 行政・事業者の役割
(地域包括ケアの基盤づくり)
第8条 町及び事業者は、高齢者が安心して暮らせる地域社会の形成を目指し、町民や地域団体と協働しながら、地域包括ケア体制の基盤を整備するものとする。
(多様な生活課題への支援)
第9条 町及び事業者は、世代間や家庭内で生じる複雑な介護・支援の課題に対応するため、相談窓口や情報提供の連携を強化し、地域での支え合いを補完する体制を整えるものとする。
(防災・安全対策)
第10条 町及び事業者は、高齢者の安全確保を目的に、防災・防火や避難支援体制の整備に努め、地域組織や住民と連携して災害時の支援体制を推進するものとする。また、高齢者に対する犯罪被害や高齢者虐待に関する相談が成果に繋がるよう、関係機関との連携体制の充実に努めるものとする。
(情報・ICT活用)
第11条 町及び事業者は、ICTを活用した情報共有や広報活動、情報取得の補助を行い、高齢者や町民が必要な情報にアクセスできる環境を高めることに努めるものとする。
2 町及び事業者は、ICTを活用した世代間交流、オンライン学習、健康づくり活動を推進し、地域の絆を強化する取組みを支援するものとする。
(移動手段の確保及び生活環境の安全)
第12条 町及び事業者は、高齢者が日常生活において必要な移動を円滑かつ安全に行えるよう、公共交通、地域交通、送迎支援その他の移動手段の確保及び充実に努めるものとする。
2 町及び事業者は、高齢者の歩行や移動の安全を確保するため、道路、歩道、公共施設その他の生活関連施設について、段差の解消、見通しの確保、標識や案内表示の工夫等、安全性及び利用しやすさの向上に配慮するものとする。
第4章 生きがい・社会参加
(生涯活動の支援)
第13条 町民、地域団体及び事業者は、高齢者が生涯学習、趣味、地域活動、文化・芸術活動、自然との関わりを通じて生きがいを感じ、技能や知識を活かして地域社会に貢献できる環境づくりを推進するものとする。また、高齢者自らも健康づくり、社会参加に努めるものとする。
(社会参加の多様な機会)
第14条 町民、地域団体及び事業者は、高齢者が主体的に地域行事、ボランティア、交流活動、就労等に参加できる機会を多様に確保し、地域全体で高齢者の活躍を支える環境を整えるものとする。
(就労支援及び役割の創出)
第15条 町、地域団体及び事業者は、高齢者が年齢や心身の状況にかかわらず、その意欲、能力及び経験に応じて就労し、又は地域における役割を担うことができるよう、就労機会の創出及び活動の場の確保に努めるものとする。
2 町、地域団体及び事業者は、経済的に不安を抱える高齢者にも配慮し、短時間就労、地域貢献型活動、ボランティアから就労につながる仕組みなど、多様で柔軟な就労及び社会参加の形態を支援するよう努めるものとする。
第5章 認知症高齢者支援
(理解と啓発)
第16条 町、地域団体及び事業者は、認知症に関する正しい理解を深めるための啓発活動を行い、認知症高齢者が安心して地域で暮らし続けられる環境づくりを推進するものとする。
(相談・支援体制)
第17条 町、地域団体及び事業者は、認知症高齢者やその家族が利用できる相談窓口を設置・周知し、早期発見・早期支援を可能とする体制を整備する。また、住民・地域団体と連携して、地域での見守り・支援ネットワークを構築するものとする。
(生活環境の配慮)
第18条 町、地域団体及び事業者は、認知症高齢者が移動・交流・活動しやすいバリアフリーな環境を整備するとともに、本人の意思や暮らしの希望を尊重した支援・サービスの提供に努めるものとする。
(予防・早期対応)
第19条 町、地域団体及び事業者は、認知症予防や認知機能低下の進行抑制に向けた心身の健康づくり、交流活動、地域参加、生活習慣改善などの取組を推進し、認知症高齢者が地域で活き活きと暮らせるよう支援するものとする。
第6章 協働
(協働の推進)
第20条 町民、社会福祉協議会、消防団、医療・介護関係団体、教育機関その他の関係者は、互いの役割を尊重し、地域包括ケア体制や地域活動を基盤に、高齢者がいつまでも輝ける地域社会の形成に協働して取組むものとする。
附則
この条例は、令和8年4月1日から施行する。