奈義町現代美術館では企画展『片山高志展 何かの何かだと思った
ら、何の何でもなかった』を開催します。
片山高志は「未分化なモノへの眼差」の中で、スタイルを変えながら
対象と向き合い作品を制作する岡山出身の画家です。独学で絵画の制
作を始めた片山は、常に揺れ続ける自己と対話するように、色を選
び、絵を描きます。それは過去や記憶が、変わり続ける今の自身の位
置から常に揺れ動くように、その言葉にならない揺れ動く自身の瞬間
を絵画の中に留めていく行為にも見えます。その行為の中で選び取ら
れる対象が誰も目を向けない無意味なものであったり、忘れ去られて
いく風景なのは、必然であるようにも感じます。
本展ではタイトルが示すように、その捉えどころのない未分化な「何
か」、その言葉ではなく色でしか表現できない「何か」をキャンバス
に留めた、片山の「今」が込められた作品展になります。意味を忘れ
て、色と鑑賞者の記憶が融和した時に広がる鑑賞者だけの意味のある
体験を、ぜひお楽しみください。
【関連企画】
片山高志アーティスト・トーク
8月30日(土)14:30~
場所:喫茶室
内容:担当学芸員が聞き手となり、片山の作品世界について深堀
していきます。
【片山高志 プロフィール】
1980年岡山市生まれ。
独学にて絵画の制作を行う。
【主な個展】
「何かの何かだと思ったけど何の何でも無かった」(新宿眼科画廊・2013)
「SOMEWHERE OTHER THAN HERE」(THERME GALLERY・2016)
「EMPTY EMPIRE」(Alt_Medium ・2017)
「距離と点景」(Alt_Medium ・2019)
「距離と点景」(PORT ART&DESIGN TSUYAMA・2019)
「矩形の庭」(銀座蔦屋書店/京都岡崎蔦谷書店・2022)
「INNER IMAGE」(LIBRIS KOBACO / EUREKA・2023)
【主なグループ展】
「VOCA展2011」(上野の森美術館・2011)
「アートの今・岡山2011-リズムのかたち-The Shape Of Rhythm」
(岡山県天神山文化プラザ・高梁市歴史美術館・奈義町現代美術館・2011)
「北極圏」(CfSHE Gallery・2015)
「ENCOUNTERS」(ANB Tokyo・2020 )
「たし算の絵・引き算の絵」(ANAインターコンチネンタル東京・2022)