戦後日本美術の地平を切り拓いた4人の代表的なアーティスト、荒川
修作+マドリン・ギンズ、宮脇愛子、岡崎和郎、そして篠原有司男。
彼らは「生」「時間」「記憶」「物質」など、目に見えぬ概念と格闘
しながら、それぞれの手法で“存在”そのものを問い続けてきました。
荒川修作+マドリン・ギンズは哲学と詩を内包した図像言語で、生命
と意味の構造を再構築しようと試み、宮脇愛子は素材と空間のあいだ
に漂う気配を金属の線へと静かに託しました。岡崎和郎は日用品と
彫刻のあいだを往還するような詩的な装置を創出し、篠原有司男は
エネルギーと即興を爆発させる“ネオ・ダダ”の旗手として、今なお
揺るぎない存在感を放っています。
本展では、奈義町現代美術館の設立に深く関わり、コレクターでも
ある花房香氏のまなざしを通して、前衛美術の多彩な“貌”が立ち
上がります。作品の数々は、氏が、作家たちとの深い絆の中で育んで
きた貴重なコレクションで、長年にわたる対話と信頼、そして作品
への共鳴がその背景にあります。
個人の想い、作品の力、そして時代の声が響き合う空間を、ぜひ
ご体感ください。
【関連イベント】
10月26日(日)14時30分~ 美術館ギャラリー
アーティストたちとの深い絆を育んできた花房香氏のトークを開催
します。出会いから交流に至る中で貴重なエピソードなどを踏まえ
語っていただきます。(入館料別途必要)