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小坂のカタクリ群生地

未指定
小坂シリフリ口

阿弥陀堂の南東、有元家の東の山裾にカタクリが群生している。
カタクリは可憐な花として万葉集に「もののふの八十少女らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花」(大伴家持 巻19・4143)と詠まれている。(訳:多くの少女達が入り乱れて水を汲んでいる寺の水汲み場のほとりのカタカゴの花よ)(カタカゴはカタクリの古語「もののふの」は「八十」の枕詞)
カタクリは、早春地下の鱗茎から2枚の長い柄を持った葉を出す。葉は淡緑色で紫色の斑点がある。葉の間から花茎をあげ、その先端に美しい花を下向きにつける。
花の色は華やかな紅紫色で野山の花の中でも最も魅力があり、花が咲くのは3月下旬から。花びらは6枚あってやがて反り返る。地下には細長い鱗茎がある。趣旨から育ったカタクリは7年目になってようやく花が咲く。
この花は春の日光を吸収して地下にでんぷんを貯え、晩春には地上から姿を消してしまう。カタクリの群生地を維持するためには毎年下草の除去が必要である。大切に残して行きたい貴重な植物群落である。

小坂のカタクリ群生地

※『奈義町の文化財』(奈義町教育委員会発行 2003年2月)より

 

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